平塚市が公表している自動運転バス実証実験の説明に、短い但し書きがあります。自動運転レベル2で走るこの路線バスについて、市はこう書いています。「復路の代官町交番前交差点付近から平塚駅南口駅前ロータリーまでは手動運転します」。

筆者はこの一行を、しばらく読み返しました。

走行距離は約4.3キロ。平塚駅南口を出て、すみれ平を経由し、平塚駅南口へ戻ってくる、既存の路線バスと同じ道筋です。夜間の運行も、路上駐停車車両の自動回避も、AIの判断によるドアの自動開閉も、令和7年度の取り組み内容として並んでいます。そこまでやって、最後の最後、駅前ロータリーまでの区間は人の手に戻す。

郊外の鉄道駅の駅前ロータリーを斜め上から見た俯瞰のイラスト。ロータリーにはバスが1台と送迎の乗用車、少し離れてタクシーの列があり、中景に駅舎とホームと停車中の電車、遠景には高速道路の高架が横切り、その先に都市の高層ビル群が小さく霞んで見える

自動運転の話をするとき、私たちはつい、いちばん難しいのは高速道路の合流だとか、雨の夜の右折だとか、そういう絵を思い浮かべます。ところが実務の資料が手動に戻すと決めたのは、日に何百本もバスが出入りし、送迎の自家用車が二重に停まり、歩行者が斜めに横切る、あの駅前でした。

不動産の記事として、ここから始めます。「自動運転が普及したら、駅前ロータリーが使いやすい駅の価値が上がるのではないか」という見立ては、直感としてはよく分かります。ただ資料は、その駅前こそが最後まで残る難所だと言っています。

「駅徒歩◯分」は、距離の数字ではなかった

筆者は普段、平均と中央値のずれを数えている人間です。だから物差しそのものを疑う癖がつきました。

「駅徒歩7分」という表示は、距離を表しているようでいて、実は距離ではありません。買い手がその数字から読み取っているのは、もっと別のものです。雨の日に濡れる時間。自転車を停める場所を探す手間。子どもを保育園に寄せてから駅へ向かう段取り。駅まで車で送ってもらうとして、その車をどこに停めるのかという小さな問題。

つまり徒歩分数は、距離ではなく摩擦を表しています。家から改札までのあいだに横たわる面倒の総量を、分数という一次元に畳んで表示したものです。首都圏の価格がこの数字に強く反応してきたのは、それが摩擦の代理変数として、長いあいだよく働いてきたからでしょう。

だとすれば、問うべきことは決まります。自動運転が摩擦を削るなら、削られた分の価値はどこへ行くのか。

消えるのではありません。移ります。まだ削られていない摩擦のほうへ。乗ってから座れるかどうか。乗り換えが要るかどうか。そもそも鉄道に乗らずに済むかどうか。この三つは、ラストマイルが自動化されても、しばらく残ります。

資料を開くと、線路は二本あった

ここで一度、期待を資料に当てておきます。

テスラの自動運転タクシー専用車 Cybercab について、同社が米国証券取引委員会に提出した年次報告書(2025年12月期・2026年1月29日提出)には、2025年6月に Robotaxi サービスを開始したこと、そしてその事業は現在 Model Y で運行しているが「いずれ、専用に設計した自動運転車である Cybercab を含むことになる」と書かれています。直近の四半期報告書(2026年6月期・同年7月23日提出)では、2026年上半期に「Cybercab の生産を開始した」と述べています。

ただし同じ年次報告書は、リスク要因の項で Cybercab を名指ししたうえで、こうも書いています。「これらの新しい製品、サービス、機能を、うまく開発し、遅滞なく投入し、規模を拡大できるという保証はない」。

出典: Tesla, Inc. Form 10-K(2025年12月31日終了年度・2026年1月29日提出)および Form 10-Q(2026年6月30日終了四半期・2026年7月23日提出)。いずれも米国証券取引委員会 EDGAR で公開されている原文(英語)からの訳出。

車がつくられ始めたことと、それが日本の公道を走ることは別の話です。では日本側はどうなっているか。ここが、本稿でいちばん書きたかったところです。

日本の自動運転には、性格の違う二本の線路が敷かれています。

一本目——自家用車の線路(レベル3)

道路交通法の改正(令和元年法律第20号)でいわゆるレベル3の規定が整備され、令和2年4月から公道を走れるようになりました。ただし警察庁は、こう注意喚起しています。レベル3では「国土交通大臣が付する自動運行装置の使用条件を満たさなくなる場合等には、運転者が自動運行装置から運転操作を直ちに確実に引き継ぐことが求められて」いる、と。

つまり人は乗っていなければならないし、いつでも代われるようにしていなければなりません。自分の車が、自分を置いて勝手に駅まで迎えに来る、という絵はここには無いわけです。

二本目——運転者がいない自動運転の線路(レベル4)

こちらは道路交通法の改正(令和4年法律第32号)で「特定自動運行」の許可制度として創設され、令和5年4月に施行されました。制度の形が重要です。

特定自動運行の許可制度(警察庁資料より)
・レベル4に相当する、運転者がいない状態での自動運転を行おうとする者は、都道府県公安委員会の許可が必要。
・許可を受けようとする者は、実施方法等を記載した特定自動運行計画を提出する。
・公安委員会は許可にあたり、経路を区域に含む市町村の長等から意見を聴取する。
・許可を受けた者は計画に従って実施し、遠隔監視装置を設置して遠隔監視を行う特定自動運行主任者を配置する(主任者が乗車している場合を除く)。
・許可基準の⑤は「人又は物の運送を目的とするものであって、地域住民の利便性又は福祉の向上に資すると認められるものであること」。

運送を目的とし、地域住民の役に立つこと。これが許可の条件です。個人の通勤の足として自分の車を無人で走らせることは、この枠の中にありません。

日本のレベル4は、車の性能に対して与えられる免許ではなく、経路と計画に対して与えられる許可なのです。

地図は、もう公表されている

線路が二本あると分かれば、次に見るべきものははっきりします。二本目の線路が、首都圏のどこに敷かれ始めているか。

これは推測の必要がありません。公表されています。

デジタル庁のモビリティワーキンググループは、2026年3月24日の資料で、「モビリティ・ロードマップ2025」等に基づき、レベル4の自動運転バス・タクシーについて「単なる実証にとどまらず、広く地域で事業として継続可能となるビジネスモデルを構築するため、各府省庁の施策を集中させる先行的事業化地域を選定」したと報告しています。2027年度を目途に先行的に事業化を実現する地域として、13地域が選ばれました。

型選定された地域
① 最新技術活用型
(任意地点移動型)
神奈川県横浜市/大阪府堺市/兵庫県神戸市
② 運行エリア拡大型茨城県日立市/長野県塩尻市
③ 技術的課題解決型宮城県仙台市/茨城県つくば市/神奈川県川崎市/神奈川県平塚市/石川県小松市/愛知県/京都府/香川県三豊市

出典: デジタル庁 第15回モビリティワーキンググループ 資料9(2026年3月24日)および第14回 資料2(2026年2月24日)。太字は首都圏の4市(編集部による強調)。①の型は「ドライバー不足等により我慢せざるを得ない移動需要を自動運転で満たすパターン」と定義され、例として「オンデマンド×乗用車型」「オンデマンド×バス型」が挙げられています。

首都圏から入ったのは、横浜市、川崎市、平塚市、つくば市の四つです。

川崎市は2026年3月9日の報道発表で、令和8年3月6日に選定されたこと、全国13地域の一つであること、そして「自動運転バスレベル4の令和9年度の実装に向けて取組を加速」することを公表しています。つくば市は、令和9年度のレベル4実現に向けて、令和8年10月2日から関東鉄道バスの「筑波大学循環」で路線バスとしての本格運行(レベル2)を始めると、2026年9月18日更新のページで案内しています。運賃190円から310円、最大速度40キロ、定員15人、当面は着席のみ。つくば市はこの事業の目的を「自家用車に依存せず、いつでも、どこにでも行ける移動の自由をあらゆる市民に提供する」ことだと書いています。

ここで、多くの読者の期待とは逆の像が立ち上がります。

自動運転は、あなたの車より先に、あなたの街のバスに来る。そしてそれがどこに来るかは、技術ではなく、自治体がどれだけ本気で交通の面倒を引き受けたかで決まる。

先行的事業化地域の評価項目には、こういう一文があります。応募する自治体は「令和9年度末までにレベル4自動運転サービスを実現する計画を地域住民に向けてインターネット上に公表しているか」を問われる。公表していること自体が、選ばれる条件の一つなのです。

つまり読者は、自分の候補地について、この問いを自分の手で確かめられます。その市は、公表しているか。

見立ての五つの軸

以上を踏まえて、自動運転の時代に向けた駅の見立てを、五つの軸に整理します。順位ではなく軸にしたのは、住む場所の条件が人によって違うからです。読者が自分の優先順位で並べ替えられる形にしておきたいと思います。

軸なぜ自動運転のあとに効くのか確認できる形
1. 当駅始発か座れるかどうかが、通勤時間を消耗にするか可処分時間にするかを分ける。ラストマイルが自動化されるほど、この差は相対的に大きくなる当駅始発の定期列車の有無
2. 着席通勤の選択肢新幹線・普通列車グリーン車。ただし重い注釈あり(次項)新幹線停車/グリーン車連結系統の停車
3. 高速道路に出やすいか自家用車の自動運転が最初に実用域へ入るのは、構造が単純で路側の設備を整えやすい自動車専用道の上最寄ICと、接続する高速道路
4. 迎えの車が停まれるか建物の前に一時停車できるか。建てたときに決まっていて、あとからは動かせない物件の前面道路と車寄せ(現地確認)
5. 自治体が手を打っているかレベル4の許可が「地域住民の利便性又は福祉の向上に資する」運送を条件にしている以上、制度の側から要請されている軸その市の公表している計画

軸3について、国の資料では路車協調システムの実証が新東名高速道路(駿河湾沼津SA〜浜松SA)で行われ、「2026年度までに路車協調システムの技術基準を策定する」とされています(モビリティ・ロードマップ2025・2025年6月13日)。

軸2の重い注釈——グリーン車は、座れることを保証しない

軸2に注釈をつけます。首都圏のJR線で普通列車にグリーン車が連結されるのは、2025年3月時点で、上野東京ライン(東海道線・宇都宮線・高崎線)、上野東京ライン(常磐線)、湘南新宿ライン、横須賀線・総武快速線、中央線・青梅線の各系統とされます。そしてこれらは全て自由席です。

自由席ということは、こういうことです。座席定員を超えてもグリーン券は発売される。確実に座れる保証はない、とされています。

ですから「グリーン車が走っている駅」は、厳密には「座れる駅」ではありません。座れる確率が高いのは、その列車が空の状態で出ていく駅、すなわち始発駅のほうです。軸1と軸2は並んでいるように見えて、効き方が違います。

連結区間・自由席の扱いは参照時点(2025年3月時点の記述)の目安です。ダイヤ改正で変わりますので、最新は各鉄道事業者の公式案内をご覧ください。

編集部の見立て——自動運転の時代に、失うものが少ない駅

以下は、価格や騰落率を比べたものではありません。上に挙げた五つの軸に、今日の時点で確認できる事実がいくつ当てはまるかを、編集部の目でならした見立てです。公式の順位ではありませんし、値上がりを示すものでもありません。

平塚(東海道線)——難所を先に公表した街

先行的事業化地域に選ばれた四市のひとつであり、実証の走行ルートそのものに、駅前ロータリーが含まれています。東京駅発着系統、湘南新宿ライン、上野東京ラインが停車し、ごく一部ながら当駅始発・終着の特急「湘南」もあるとされます。そして冒頭の一行——駅前ロータリーが手動運転区間として残されていることを、弱点ではなく進捗の正直な記録として読みたい。難所がどこかを公表できる街は、そこを直す当てを持っている街でもあります。

つくば・守谷(つくばエクスプレス)——座れる駅と、動き出した市

つくば市は先行的事業化地域であり、2026年10月2日から路線バスの本格運行が始まる予定です。一方、隣の守谷駅は、つくばエクスプレス総合基地の隣接駅であることから、普通列車の過半数と早朝一本の区間快速が当駅始発・終点になるとされます。座れる駅と、自動運転の事業化が進む街が、同じ路線の上に並んでいる。常磐自動車道の谷和原インターチェンジは、つくばみらい市と守谷市の市境付近にあります。

小田原(東海道線・東海道新幹線)——三つの軸が同時に立つ

軸1から軸3までが同時に立つ、首都圏では珍しい駅です。東海道新幹線は一部の「ひかり」と「こだま」が停車し、在来線はいずれの路線も当駅終着・始発の列車が多いとされます。朝には当駅始発の特急「湘南」の通勤列車もあります。道路側では、小田原西インターチェンジを起点とする小田原厚木道路が、東名高速道路の厚木インターチェンジまで直接つながっています。

海老名(小田急・相鉄・JR相模線)——東名と圏央道の結び目

海老名ジャンクションは、東名高速道路と圏央道を結ぶ結節点です。鉄道では相鉄本線の終点であり、海老名検車区があることから一日数本ほど当駅始発の列車が設定されているとされます。三路線が集まりながら、いずれも都心の端ではなく途中にある、という立ち位置が独特です。

大宮(埼玉)——都心の外で、軸2と軸3を両方持つ

六つの新幹線が乗り入れ、乗り入れ路線数は東京駅に次いで全国2位とされます。上野東京ライン・湘南新宿ラインも停車します。道路側も、首都高速埼玉新都心線・埼玉大宮線の出入口が駅周辺にあり、国道16号・17号・新大宮バイパスが通ります。都心の外でこの二つを同時に持つ駅は、ほかに代わりが多くありません。

木更津(内房線)——自動車専用道に、地形として素直に乗る

東京湾アクアラインは川崎浮島ジャンクションから木更津金田インターチェンジまでで、そこから先の木更津ジャンクションでは圏央道・館山自動車道に接続します。自動車専用道で都心側と直結し、かつ鉄道では当駅始発の列車が設定されています。自家用車の自動運転が高速道路から実用化されるという筋書きに、最も素直に乗る場所のひとつです。

上総一ノ宮(外房線)——「座って始まる」の一点において

外房線の普通・快速列車は原則として当駅を境に運行系統が分離されており、京葉線・総武快速線直通の快速列車をはじめ、多くの列車が当駅を終着・始発としているとされます。都心からの距離だけを見れば遠い。しかし「座って始まる」という一点においては、首都圏で最も条件のいい駅のひとつです。

印西牧の原(北総線)——あとから足された街の典型

当駅始発・終着列車が設定されているとされ、国道464号に並行する高規格道路の北千葉道路が供用されています。鉄道と道路の両方が、街のあとから足された。その順番が、そのまま余白として残っています。

横浜・川崎——郊外の物語とは、別の筋

先行的事業化地域の四市のうち残る二つですが、性格が違います。横浜市は「最新技術活用型(任意地点移動型)」に分類されており、この型は「ドライバー不足等により我慢せざるを得ない移動需要を自動運転で満たすパターン」と定義され、例として「オンデマンド×乗用車型」が挙げられています。郊外が救われるという物語とは別に、政令指定都市の中でも交通が薄い区域から先に変わる、という筋がここにあります。

東八道路沿いは、どう読むか

「これまで主要な鉄道駅から遠かったために価値が低く見られてきた道路沿いが、これから人気になるのではないか」という見立てがあります。東京でいえば、東八道路沿いがその代表格として挙げられることが多い。

事実関係を確かめておきます。東八道路は三鷹市牟礼から国立市谷保に至る道路の通称で、東京都道14号新宿国立線に属します。杉並区久我山と三鷹市牟礼の境界付近で放射第5号線と接続することにより、並行する国道20号の実質的なバイパスとなる。「30m道路」という別名を持つ、広幅員の道路です。幹線道路東京八王子線としては、日野バイパス等を経由して圏央道の高尾山インターチェンジまでつながる計画である、とされます。

ここまでは、この見立てに追い風です。ただ同じ資料は、続けてこうも書いています。幅は広いものの、車線数は片側3車線ではなく片側2車線しかなく、停車帯もないため、路上駐車があると場所によっては有効車線数が片側1車線になり混雑することがある。立体交差は府中街道および武蔵野線との交点のみで、激しく渋滞することも多い、と。

つまり東八道路は、都心へ抜ける容量の大きい道ではなく、容量が足りていない広い道です。そして三鷹市・調布市・小金井市・府中市・国立市は、先行的事業化地域の13地域に入っていません。

筆者の読み方はこうです。東八道路沿いは、二本の線路のうち一本目——自家用車とレベル3、そして将来の高速道路上の自動運転に賭ける立地です。その賭けは筋が通っていますが、配当が出るのは遅いほうの線路です。国の資料で高速道路の自動運転サービス支援道について書かれているのは「物流ニーズや車両の開発状況を踏まえ」た延伸の検討であって、主語は自家用車ではなく物流だからです。

参考までに、この道路の沿線でいえば、府中駅(京王線)には当駅始発列車が朝下り各停1本と平日朝上り各停1本、設定されているとされます。始発という観点では、ごく細い。

使う前に割り引いておきたい五つのこと

ここまで書いておいて、自分の見立てを自分で割り引きます。そうしないと、この種の記事はただの期待の水増しになります。

1. 政府の計画は、計画である

先行的事業化地域の目標は2027年度を目途としたものです。つくば市の本格運行も、平塚市の令和8年度の実証も、今のところ予定として公表されている段階です。テスラ自身が年次報告書のリスク要因で、新製品を遅滞なく投入し規模を拡大できる保証はないと書いているのと同じことが、日本の計画にも当てはまります。

2. 摩擦が減れば、需要が増える

駅までの移動が楽になれば、人はより遠くに住もうとします。遠くに住む人が増えれば、駅前の道は混む。楽になった分が、そのまま時間の短縮として手元に残るとはかぎりません。

3. 迎えの車が増えると、駅前は今より詰まる

冒頭の一行に戻ります。自動運転バスが手動に戻したのは、まさにその駅前でした。呼べば来る車が増えた後のロータリーがどうなるかは、まだ誰も測っていません。本稿が今の「使いやすさ」で駅を採点しなかったのは、そのためです。

4. 駅前の集積は、自動運転では動かない

学校、小児科、スーパー、学習塾。子育て世帯が「駅徒歩◯分」という数字と一緒に買っていたのは、徒歩圏に積み上がったこれらの集積です。車での移動が楽になっても、集積そのものが郊外へ移るわけではありません。

5. ダイヤは、改正のたびに変わる

本稿で駅ごとに挙げた始発列車や停車系統は、参照時点の記述にもとづく目安です。始発の設定も、グリーン車の連結区間も、ダイヤ改正で動きます。実際に候補を絞る段階では、各社の公式時刻表に当たってください。

今日、確かめられること

候補地について、今日できる三つの確認
1. 候補地の自治体名と「自動運転」で、その市のウェブサイトを開いてみる。先行的事業化地域の評価項目が、計画をインターネット上に公表しているかを問うている以上、本気で取り組んでいる自治体ほど、そのページは見つけやすいはずです。
2. 候補の駅が始発駅かどうかを、公式の時刻表で調べる。グリーン車があるかどうかより、そちらのほうが確度が高い。
3. 検討している物件の前に、車が一時停止できるかを見る。間取りと同じで、これは選ぶときには選べて、選んだあとには変えられない種類の条件です。

ハンドルを返す場所から、考える

自動運転が不動産にもたらす変化は、おそらく、私たちが思っているほど劇的ではなく、思っているよりずっと局所的に始まります。運転者のいない車が街を埋める前に、決まった路線を走る一台のバスが、運賃190円で、定員15人で、当面は着席のみで走り始める。その一台が走る市の名前は、もう公表されています。

そして、そのバスでさえ、駅前ロータリーの手前でいったん人にハンドルを返す。

不動産の物差しは、技術が変わった翌日に書き換わるものではありません。手前から、少しずつ、地味に動く。「駅徒歩◯分」という数字が明日意味を失うことはないでしょう。ただ、その数字が何を代理していたのかを一度ほどいておくと、数年後に自分の物差しを持ち直すのが、いくらか楽になるはずです。

街を選ぶことは、急いで結論を出さなくていい種類の決断です。ここに挙げた駅も、挙げなかった駅も、これからの数年で条件を変えていくでしょう。相場と資産性の基本にも書いたとおり、ひとつの見立てだけで決めず、公的データと自分の目で確かめる時間を、どうか惜しまないでください。

参考

  1. 警察庁「自動運転」(道路交通法の改正経緯・レベル3の注意喚起の出典)
    https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/selfdriving/index.html
  2. 警察庁「特定自動運行に係る許可制度の創設について」(PDF。許可制度の仕組みと許可基準の出典)
    https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/selfdriving/L4-summary.pdf
  3. デジタル庁「モビリティ」(モビリティ・ロードマップおよびモビリティワーキンググループ資料の入口)
    https://www.digital.go.jp/policies/mobility
  4. デジタル庁 第14回モビリティワーキンググループ 資料2「先行的事業化地域の採択地域について」(2026年2月24日・PDF。13地域の一覧と評価項目の出典)
    第14回モビリティWG 資料2(PDF)
  5. デジタル庁 第15回モビリティワーキンググループ 資料9「自動運転の社会実装に向けた施策の取組状況、及び、今後の取組内容」(2026年3月24日・PDF。13地域の選定確定の出典)
    第15回モビリティWG 資料9(PDF)
  6. デジタル庁「モビリティ・ロードマップ2025」(2025年6月13日・PDF。高速道路の自動運転サービス支援道・路車協調システムの記述の出典)
    モビリティ・ロードマップ2025(PDF)
  7. 平塚市「自動運転バス実証実験」(最終更新 2026年6月30日。走行ルート・手動運転区間の出典)
    https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/machizukuri/page84_00063.html
  8. つくば市「自動運転バス事業について」(更新日 2026年9月18日。本格運行の開始予定・運賃・定員の出典)
    https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/seisakuinnovationbusmartcitysenryakuka/gyomuannai/1/18462.html
  9. 川崎市 報道発表資料「川崎市の自動運転バスの取組がデジタル庁『自動運転社会実装先行的事業化地域事業』に選定されました」(2026年3月9日)
    https://www.city.kawasaki.jp/templates/prs/500/0000185331.html
  10. Tesla, Inc. Form 10-K(2025年12月31日終了年度・2026年1月29日提出。Cybercab と Robotaxi の記述およびリスク要因の出典)
    米国証券取引委員会 EDGAR(Form 10-K)
  11. Tesla, Inc. Form 10-Q(2026年6月30日終了四半期・2026年7月23日提出。Cybercab の生産開始に関する記述の出典)
    米国証券取引委員会 EDGAR(Form 10-Q)
  12. tokyoarea.com「この10年、資産価値の話題で名前が挙がり続けた首都圏の駅」(2026年7月14日・再開発と交通から見た当サイトの見立て)
    /content/shutoken-eki-shisan-kachi-ranking.html

鉄道の路線・駅ごとの始発列車・停車系統、および道路の区間・接続に関する記述は、各項目の公開されている百科事典記事(参照日2026年9月19日)にもとづく目安です。ダイヤ・供用状況は変わりますので、最新は各鉄道事業者・道路管理者の公式情報に当たってください。

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